バレンタインの思い出
「ねぇねぇぇ、そろそろバレンタインじゃ~ん。
もう準備とかした?…」
さっき、同僚の女子たちの話し声が聞こえてきました。
いや、あの、ワタシに向けられた会話じゃないわよ。
会社では、ノンケ(not ゲイ)で通してるんで★
で、思ったのが、
みなさんはどうしてるのかな??って。
バレンタインというイベントに、積極的に参加してるのかな??って。
通常、バレンタインデーって、
女子から男子に、チョコという媒体を利用して告白する日じゃん??
普段、自分の気持ちを上手に伝えられないノンケ女子が、
チョコでもって、キモチヲツタエル。みたいな。
(てゆうか、今でもそんな女子いるのかしら??
ねぇ、ノンケ女子のみなさんっ!!教えて!!)
でも、”しゃしゃり度”の高いゲイのワタシたちってば、
そんなまどろっこしいことはしないよねー。
1度や2度寝て、既成事実を作ったうえで告白するのが、
よくあるプロセスだったりするしネ。
となると、ゲイのワタシたちにとってのバレンタインデーって、
カレシ持ちの人向けのイベントって場合が多いんだよね。
その辺が、リアル女子の場合と違うところかなって思ってみたり。
ふと、思い出してみたんだけど、
ワタシが初めて、オトコにチョコをもらったときの話。
中学2年の頃だったかな。
当時、ゲイの人と知り合う手段として、
伝言ダイヤルってのが主流だったんだけど、
その伝言ダイヤルで、20歳くらいの大学生と知り合ったのね。
って言っても、まだ中学生だったし、
なんとなく怖くて会ったことはなかったんだけど。
電話でたまーにやりとりはしていて、
あるとき、バレンタインだし、チョコを渡したいって言われたのだ。
でも、やっぱ、怖いじゃん。
興味はあったけど、まだ早い気がして。
それで、一応お断りしたのね。受け取れませんって。
でも、それでも、どうしても渡したいらしく、
会うのがイヤなら、コインロッカーに入れておくから取りに来てよってことに。
今思うと、オカシなことしてたなって感じだけど、
公衆電話の電話機の底に、ガムテープでロッカーの鍵を貼りつけておくから、
ロッカーに入ってるチョコを持っていって、
というカレの指示。
なんか、イケナイ薬の取引みたい!!と思いつつも、
指定された公衆電話に行き、
ロッカーに入ってた紙袋を持ち帰ったのね。
もしかしたら、そのカレに見られてるかもしれないから、
自宅とは反対方面の電車に乗り込み、
発車寸前に飛び出て、自宅方面の電車に乗り換えるという、
ちょっとした荒業を披露して帰宅。
勝手に尾行をまいた勝利感に酔いしれてみたり。
普段から、土曜ワイド劇場を見てた甲斐があったね。
電車トリックならまかせて!!
西村京太郎、バンザイ!!
で、自宅の部屋に帰って、
さっそくチョコが入った包みを開けてみることに。
どうしても渡したいっていうくらいだから、よっぽどスゴイものを期待していたんだけど、
そこには、なんと!!赤ん坊の死体が!!!
なーんてことは一切なく、
そこには、
“お徳用アーモンドチョコ”のでっかい袋と、
ビデオテープが1本入ってるだけなのね。
お徳用??
もしかして、指定された駅にあったイトーヨーカドーの食品売り場で買った??
てゆうか、このビデオはなぁに??
ちょうど親も出かけていたので、恐る恐るビデオを再生してみると、
なぜかジェフストライカー(米ポルノ男優)主演の、洋物ゲイビデオでした。
なぜ??
なぜゆえ、チョコとゲイビデオ??
しかも、ジェフ?? 外人好き??
お徳用の大量のチョコを食いながら、ビデオ見て興奮しろってか??
ま、得体の知れない手作りチョコをもらうよりはマシだけど、
見知らぬ人からの贈り物って、なんだかドキドキするね。
その後、
その大学生のカレへの連絡が途絶えていったのは言うまでもありません。