台湾からやって来たKくん その1
あれはたぶん、今年の前半。
アウターとか着たままお店で飲んでいたから、
まだ冬まっさい中って頃だと思うの。
合コンの幹事として2次会までがんばり、そのまま
友達たちと2丁目のショットバーで飲んでたときに
ナンパしてきたのが、K君だったのね。
見た目はそうね、裏原とかに居そうな感じ?25歳って言ってた。
最初、K君の友達がワタシに話しかけてきて、
そのあと、K君がやってきたんだけど、いきなり英語でびっくり。
カレ、見た目はカンペキ日本人なのに、台湾人なんだって。
日本語はまったく話せなくて、英語なら少し話せるらしい。
旅行で日本に来てて、日本に住む台湾出身の友達と一緒に
ゲイバーに飲みに来たんだって。
そしてとびっきり可愛いワタシを見つけ、思わず声をかけたと。
てか、こういうの久々だからドキドキしちゃった。
最初、”やっだ、この店先払いだっけ?金払えって催促?”
とか身構えちゃったし。あは☆
ワタシ、国際的美少女だけど、英語が苦手だから、
このときはK君の友達を通訳にしてあれこれ会話をし、
いちお、携帯のアドレスと番号を交換して帰ったのね。
それから時は流れ、11月。
「86・・・」と、090でも03でもない番号からの着信だったので、
恐る恐る出てみると、なんと、そのK君からの電話。
てゆうか、チョー久しぶりじゃん!!!
なんでもまた新宿に来ているらしく、一緒に飲まないか?というお誘い。
英語だったからアレだけど、たぶんね、たぶん。そういうベクトル。
その時ワタシ、ちょうど新宿に居たし、時間もあったのでOKし、
K君はどこにいるのかと尋ねてみると、
「キノクニヤ、キノクニヤ」って連呼してるの。
えー!どっちの紀伊国屋?
新宿には紀伊国屋書店が2つあるのよ?
お互いに英語が母国語じゃないし、日本風と台湾風とで
アクセントがかなり違うらしく、なかなか相手の言っていることが聞き取れない。
とりあえず、どっちの紀伊国屋なのかを判断するために
周りに何が見えるかを聞いてみたの。すると、
「本がたくさんあります」と、英語でアンサーするK君。
そりゃそうでしょうよ。本屋だもん。
そんな答え、何の参考にもならないわ。
んもう、ワタシの聞き方がまずかったのかしら。
そうだ!その建物の隣に高島屋があるか聞けばいいんだわ!!
(紀伊国屋は、高島屋に隣接した店舗と、三越の向いの店舗の2つがある)
ということで、それを聞いてみると
「店員に聞いてみる」と、K君。
やだ、そうよ、あんた賢い。
お店の人に聞けば確実だもんね!!
で、しばし待たされ、K君が言い放った答えは
「そんな本はないです」だって。
オマエはバカか。
だれが書籍検索を頼んだよ。
さっさと台湾帰れ!!!
もうこうなったら店員と話した方が早い。
K君に頼んで店員さんに電話をかわってもらい、
どっちの紀伊国屋か尋ねると、三越の向いの店舗だったわ。
K君にはビルの1階で待ち合わせしようと伝え、
外で待っていると、なぜか駅方向から小走りにやってくるK君。
面倒くさいので理由なんて聞かなかったけど、
マツキヨの袋を持ってるところを見ると、何か買ってきたのかしら。
とりあえず、どうにか再会することができたので、
いよいよ2丁目へ。
つづく