ワタシってオキャマだったの!?

40代になったオキャマのイマ!を届けるブログ

セミとベランダとワタシ


ワタシは昆虫が嫌いです。

どちらかというと、見つけたら殺すというよりは、いなくなって欲しいと願うタイプなので、
例えば、ゴキブリを見かけた時も、逃げやすいように窓とか開け放ってあげちゃう方なのね。

でも、この間のセミにはビビリました。

いつものように蒸し暑い休日の午後。
中野に住む友達の家に遊びにいったのね。
近所のファミレスでビールを飲みながら夕食を済まし、また友人宅に戻ってベランダでタバコを吸おうとしたその時に、何か奇怪な物体がベランダにいることに気がついたの。

その友達の家のベランダって、手すりのところが茶系の大理石みたいな感じになっているんだけど、
その大理石に同化するかのようにセミが一匹張り付いているのが見えたの。

ほら、嫌いなものって、なんとなく感覚的に気がつきやすいじゃない?
小さい子供がハンバーグに紛れ込ませたニンジンを器用に嗅ぎ分けるように、
ワタシも、カメレオンのように大理石に同化したセミに気がついたのね。


幼い頃はさぁ、
カブトムシとかクワガタとかカナブンとか、夏に捕まえにいったりしたものよ。
もちろんセミだって、わざわざ木に登ってまで捕まえたものだわ。

でも、昆虫って、よく見るとキモイじゃない?

ワタシ、途中で気がついたの。
クワガタからハサミの部分を取ったらゴキブリと見た目変わらないって。
セミも、巨大化したハエと変わらないって。

ちょうど性を意識するようになる小学校高学年の頃から、昆虫はnigate★になった気がするわ。

んで、そのカメレオンセミ。
まったくその場所からどいてくれる気配がないから、ちょっと突いてどこかに飛んでいってもらおう作戦に出ることにしたのね。

友達から、その辺にあったお香立て(靴べらみたいなやつね)を借りて、
ベランダのドアをほんの少しだけ開け、そこから手だけ出してセミを突いて追い払おうとしたのね。

でも、お香立てってわかる?
長さが10センチくらいしかなくって、ちょっと怖かったのね。
10センチって、感覚的に素手と変わらないのよ。

で、もっと長い棒状のものを友達にリクエストして、
出てきたのが“クイックルワイパー”。

長さも十分だし、これなら完璧。
てゆうか、最初からコレを出しなさいよ。

再びべランドのドアを少しだけ開けて、その隙間からセミにアタック!!

「ギヤァァァァアアアアア!!!」
「いやぁぁぁああああ!!!!」

せ、セミが、ワタシ目がけて飛び掛ってきたのよ。
セミ様、お許しを~。

ワタシ、夜道で暴漢にレイプされそうになっても出さないような叫び声をあげて驚いたわ。
てゆうか、イケメンからのレイプならむしろ本望。

一緒にいた友達も虫が大嫌いらしく、一緒になって叫んでみたり。

マンションの一室から漏れるオキャマの叫び声。
ここが新築で防音がしっかりしたマンションじゃなったら、近所から通報されてたかもね。


それにしても、セミ、恐るべし。

勇気を振り絞って、その後も何度かセミを突いて追い払おうとしたんだけど、
すべて失敗。

逃げるどころかワタシの方に向かって飛びかかってくるんだもの。
牙でも生えてるんじゃないかと見まごうほど獰猛な顔で。

その度に繰り返される、悲痛な叫び声。

気づいたらワタシ、涙がこぼれていました。

ホントはね、殺虫剤とかでセミの野郎を瞬殺してもよかったんだけど、
ほら、死骸とかさわるの嫌じゃない?

てゆうか、すでにセミの攻撃によって軽く適応障害になっていたワタシたちは、
そのままセミを放置プレイ。

ファミレスで飲んだビールの酔いもすっかりさめて、
憔悴した感じで家に帰ったのね。

帰り道、
ようやく口にしたタバコの味に酔いしれていると、

「ぷちゃ」
という不気味な感覚が足元に。

あわててボックスステップで横に移動して、元いた場所を見ると、
踏み潰されて圧死したセミの死骸が・・・。

ワタシは昆虫が嫌いです。