トイレの花子さん
さっき、ついさっきなんだけど、
ワタシ、トイレに行ったのね。
どちらかというと大きい方の個室に。
っていってもアレよ。
ワタシ、美少女だから、ウ○チとかそういったリアルなものを垂れ流すために行ったんじゃないわよ。
ちょっとトイレで休憩しようかなと思って、大きい方の個室に入ったのね。
ほら、みなさんもなぁい?
ちょっと眠くなってトイレの個室で仮眠を取ったりすることって。
ワタシはたまーにあるのよね。
仕事中、あまりにも眠くて、
腕やほっぺたをつねっても、どうにも意識がモウロウとしてしまう時。
そんなときに、仮眠を10分でも取ると、
けっこうスッキリするのよ。
今日も、
後ろからクロロフォルムを染み込ませたハンカチを口にあてがわれたかのように、
突然意識を失いかけたので、
イケナイ★って思って、あわててトイレの個室に駆け込んだのね。
誰も個室にいないのを確認し、こっそり一番奥の個室に。
てゆうか、ウチのフロアの男子トイレって、
二つしか個室がないから、手前か奥しかないんだけど。
で、個室に入って、便座のフタを閉めて、
いよいよ仮眠タイム。
すると、
割とせっぱ詰まった感の足音が聞こえてきて、
ガチャン!って、勢いよく隣の個室のドアが閉められたの。
なんだかゴソゴソとファスナーとかズボンを下ろすような音がリアルに聞こえてきて、
その無神経な音にやられたのか、
気がつくと眠気なんか吹っ飛んでしまっていたワタシ。
別に、他人の排泄行為の音を聞いて楽しむ趣味はないのよ。
だから、眠気も去ったことだし、トイレの個室から出ようとしたの。
そしたら、そしたらよ、
「ひぃ、ひぃ、ふぅ・・・。ひぃ、ひぃ、ふぅ・・・。」
っていう声が聞こえてきたのね。
やだ、ラマーズ法??
ここは分娩室か??
てゆうか、勢いよく駆け込んできた割には、
かなりの難産の様子。
気がつくと、
「ひぃひぃふぅふぅ、ひぃひぃふぅ」
とか、テンポが3アゲくらいになってるし、
もはやラマーズじゃなくなってるし。
よっぽど、産婆さんとか呼んで差し上げようかとも思ったけど、
ここは男子トイレ。
この時点での、ワタシの興味は、
”この個室に入ってる産気づいたオトコが誰なのか”ってことにシフトしていたのね。
ウチの部署って、ほとんどが女子社員で、
同じフロア内の他部署の男子を合わせても、男子社員が10人くらいしかいないのね。
だから、あまり個室を使う人っていないのよ。
ただ、
ここで隣の人の行為が終わるのをじっと待っているのもアレなので、
とりあえず、ここを出てフロア全体を見渡せば、今いない人がわかるし、
トイレに入っている人が誰かおのずと割り出せると思ったのね。
で、トイレからの帰りがてら、
まず、他部署を見回るワタシ。
あれ?全員いるじゃん。
てことは、まさか、ウチの部署??
てゆうか、ウチの部署には”アサコ”っていうとんでもない情報通のリアル女子がいるんだけど、
彼女ってばスゴイの。
オマエは興信所か??
ってぐらい、いろんな人の情報を知ってるのね。
例えば、
”A子は独身だと言ってるけど、実は2年前に離婚して子供が2人いて、ひとりはすでに中学生になっている”とか、
”B子はこの間ワキガの手術をした”だとか、
なぜかワタシにいろいろ教えてくれちゃうのね。
ほら、ウチの部署内でのリストラで大幅に人が減ったせいか、
アサコの話し相手もいなくなっちゃったからだと思うんだけど、
それにしても、
よくもまぁ、こんなにくだらない情報を蓄えているわねと、
ちょっぴり感心。
お礼にワタシも、
”○○っていう男子が、トイレの鏡の前で妙なポウジングしてたわよ”とか、
”△△っていう男子が、化粧ポーチみたいのを持ってトイレの個室に入っていくところを見た!”なんて、
同じ男子同士しか知りえないどうでもいい情報を提供してあげたり。
てゆうか、このオンナ(アサコ)、
ワタシの情報をどこまで握っているのかがすっごく知りたいんだけど、
なんだかとってもコワイ気がするので、確認できないでいるの。
で、
トイレから自席に戻ってきたワタシは、
アサコにさっそくメッセージを送信。
「トイレで産気づいてる男がいました。この部署の男子と思われます。」
って。
すると、さっそく返事が!!
「マネージャーと部長は会議中だから、今、席にいないのはアイツしかいないわ。」
とのこと。
え?アイツ?
そう、ワタシが過去に、
”トイレの鏡の前で妙なポウジング”をしているところを見たオトコ。
そいつってば、ぶっちゃけ、ハゲあがったキモイ男子なのね。
ワタシとアサコの間のダメンズランキングでは、
目下トップを爆走中の男子だったりもします。
そのあとワタシ、ご丁寧に、トイレで目撃(っていうか耳撃?)したことを、
アサコに詳細にメールで教えてあげたのね。
そしたら、
アサコってば、
「余分な情報ありがとう。私はしばらくの間想像力を失うことにします。」
ですってよ。
あは★
てゆうか、
あの時の、あの声、
”ひぃひぃふぅ”って声が頭の中でこだましてきちゃって、
ワタシもだんだんと妙な汗とか出てきちゃって、
体温が異常に上昇しているのを感じたのね。
やばい。この部屋暑くない??
とりあえず、エアコンの温度を全サゲにしておきました。
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