青春のいぢわる
てゆうか、ウチの職場って、ホントに女子率が高くて、
しかも平均年齢が３０代前半だったりするから、もうオバサン連中なわけよ。
そのほとんどが独身でしょ、
もう家に帰っても時間を持て余してるのね、きっと。
で、どうなるかっていうと、
いろいろなＤＶＤやらビデオが回ってくるのよ。
過去に「ベッカムに恋して」を強力に勧められたのはほんの一例で、
今は、「冬のソナタ」っていう韓国のドラマが出回っているのね。
もう他の女子社員はほとんど見たらしく、残るはワタシぐらいなものらしいわ。
ほんとはね、ワタシだってそんなに暇じゃないし、別に見なくてもいいんだけど、
ほら、女子ってこういう仲間意識が強いじゃない？
もし断ったりしたら、受話器に画鋲を仕込まれたり、カミソリ入りの封筒を送り付けられたり、
ゴクミもびっくり★ってなことになりかねないしね。
てゆうか、リアル女子たちが、これはホントに感動できる！とか強力に推薦するものだから、
興味がわくじゃない。
会話についていけないのも悔しいし。
で、借りたのはいいんだけど、冬のソナタって２０話もあるのよね。
１話が１時間だから、合計２０時間・・・。
少しずつ見ていくしかないわ。
そういえばワタシ、
１週間で真珠婦人を最初から最後まで（６５話以上）全部見たんですもの。
きっとやり遂げられるはず。
このドラマ、かなり号泣できるから覚悟してねって言われてるんだけど、
実際どうなのかしら。
会社の子で一人、このドラマを見たけど泣くところがわからないって言った子がいたんだけど、
そんなこと言おうものなら大変よ。
「あの子は冷血だ！」、から始まって、「血が通ってない」とか、
「ちょっとかわいいからって調子に乗ってるわよね」とか、
もはやドラマを見て泣く泣かないの感受性の問題を超越して、
単なる嫉妬・羨望・嫉みの世界に入ってくる始末だし・・・。
だから、ワタシも気合入れて見て、涙のひとつでも見せないといけないわよね。
じゃないと、「あぁ～卒業式で泣かないと、冷たい人って言われそう」ｂｙ斉藤由貴
みたく陰でいろいろ言われてもアレだしね。
で、
割とそんなことはどおでもよくって、
今日、新人さんに一人カワイイ子がいることを発見したの。
ウチの部署って、新人さんは別の部屋で２週間から１ヶ月の研修を受けないと職場デビューできないから、
新人さんがいるのは知ってたけど、どんな子がいるのかまではあまりわからなかったのね。
ところが、ところがよ、
今日、パウダールームで手を洗っていたら、
全然知らない子に話しかけられたの。
っていっても、外国の発展トイレとかであるような、
黒人さんがこっちの方を見てアレをシゴイタリシテルようなのじゃなくって、
普通に話しかけられただけなんだけど、
その子、隣の洗面台から、ワタシが手を洗ってる姿をずっと見てるのよ。
きっと、ワタシの目映いばかりの美貌にすっかりトリコロールなのね、
ぐらいにしか思ってなかったんだけど、
隣を見てびっくり。
結構なイケメン君なのね。
しかも、首からさげてるプレートは新人君のプレート。
新人君の中にもこんなキャワイイ子がいたのって感心していたのもつかの間、
目が合うと、その子が話しかけてきたのね。
「すごく念入りに手を洗いますよね」って。
「え？」
まったく思いもしなかったフレーズにびっくりしたのと同時に、
そういえば確かにそうかもって、妙に納得しているワタシ。
というのも、
よく洗面台に、ボタンを押すと石鹸水が出てくる設備があるじゃない？
ウチの会社のパウダールームもそうなんだけど、
銀色のボタンめいたものを押す（というより叩きつける）と緑色の液体が出てくるのね。
今まで普通にさっくりその液体を泡立てて手を洗っていたんだけど、
しばらくして、手の指の間が異常に荒れていることに気づいたの。
時期的に、会社の洗面台で手を洗うようになってからだから、
きっとすすぎが足りないんだわと思って、指と指の間まで念入りにゆすいでいたっていう訳なのよ。
で、
そういうれっきとした理由をイケメン新人君に伝えたかったんだけど、
気がつくとその新人君はいなくなってて、一人取り残されたワタシ。
きっとイケメン新人君たら、ワタシのこと神経質で気難しいヲンナだと思ってるんだわ・・・。
少しショック・・・。
・・・青春のいぢわる。
てゆうか、改めて見ると、この緑色の液体ってなんか不自然なのよね。
気分的に泡が立つと楽しいからこの液体で手を洗ってはいるけど、はたして効果はあるのかしら？
ワタシの印象を悪くしたすべての原因であるこの液体は、もはや憎しみの対象でしかなく、
よっぽど強く手が汚物にまみれたとかそういった緊急事態でもない限り、
決してこの緑色の液体は使わないと固く心に誓いました。
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